『 我が君に捧ぐ円舞曲

      ~Waltz Mercury Lamp~ 』

 

あの日優しいあなたは

窓辺に私を宿らせた  
木漏れ日の中 囁きかけ

いつも見つめてくれた

窓の向こうの世界は

移り行くことを止めはしない  
私が決して知ることのない

終わりへと向かって

体は牢獄 心は呪縛

静寂が解き放つの 本当の姿を

繰り返す季節のようにあなたも時間に愛されて
寄り添いながら消え去って行った 私を残して

未来と過去の狭間で虚空の椅子に座り続ける
悠久にさえ忘れ去られて永遠を彷徨う

体は牢獄 心は呪縛

闇夜に溶け出すのは真実の形

 

酷くぼやけた空だけを見つめても

そこにはもう魂だけ銀に輝き溢れては
美しいのね 影だけでも

あなたのような夜空



空と私の境目はうつろいで

響いてくるの 懐かしい音

声なき声はあなたでしょう?

 

抱きしめなくとも交じり合える 夜に溶け出す魂は